日常/心

凰稀かなめ退団公演『白夜の誓い』『Phoenix 宝塚』をみてきました

凰稀かなめさんの退団公演『白夜の誓い』『Phoenix宝塚』をみてきました。
『白夜の誓い』は、スエーデン国王グスタフⅢ世のお話ということで、かなめさんが得意なコスチュームプレイ。
その上にスエーデンということ、かなめさんの代表作である「ロバート・キャパ」の原田先生ということで、楽しみにしていきました。(子供の頃、王子様というのはスエーデンという国に住んでると信じていた人w)

ええっと、歌詞。プログラムには載ってないですが、「ブラー、スエーデン」ってのがあって、気になりました。
そういえば、スエーデン語でスエーデンってなんて言うんだろ。ノルウェー語と同じでSverigeかなと思ったら同じですね。
だとしたら、ホントは「ブラー、スヴェリゲ」なのかな…。ま、いっか。
聞き取れませんでしたが、一瞬スエーデン語?という台詞もあり、また、エカテリーナ女帝が出てくるところではロシア語もあり、「台詞覚えるの大変だったろうな」と思いました。

それは兎も角、話のほうですね。ごめんなさい、「ええ、これでいいの、原田先生!」というのが少しあります。
そして、相変わらずラブラブなシーンがないですね。

以下、ネタバレ含むので、改行します

お披露目公演『銀河英雄伝説』では、大半が幼なじみ「キルヒアイス」とのやりとりで皇帝になって幼なじみに死なれ、退団公演『白夜の誓い』では大半が幼なじみ「ヤコブ」とのやりとりで王になって、幼なじみに殺される。
「妻」である実咲凛音さんとは、お披露目公演同様、最後のほうでやっと少しラブラブになる程度。寧ろ、最初に出てきたイザベルのほうが、愛し合ってる雰囲気が出ていました。
いいんだけど、最後くらい、「嫁」とラブラブの作品をみたかったなと思うのですよ。
と、同時に、この作品でもショーでも、そして、同時退団を誰とするかでも、「凰稀かなめの嫁は緒月遠麻だった」という感じです。二人とも好きですし、二人が絡んでるのが好きなので、それはそれでいんですが、あまりにかなめさんが孤高の存在すぎて、ちょっと物足りない気がしました。浮いてるとかではないですよ。オスカルのときもそうですが、かなめさん自身が、恋愛しない高嶺の花な感じなのです。
もう少し、二人が寄り添うのが見たかったなと。

物足りなかったのはもう一つあって、もう少し緒月さん演じる「ヤコブ」について深掘りしてもよかったのではないかと思うのです。「幼なじみに誓った通り、僕は誰かに勝つためではなく、国民を守るために剣を使う」というグスタフの気持ちはわかりますが、それこそ幼なじみなのだし、もう少し話し合いとかがあっても良さそうな。
それとも、互いに「あいつなら解ってくれるだろう、言わなくても」と思っていたことが悲劇を招いたという感じでしょうか。
そういえば、この部分も銀英伝との対比なんですよね。ラインハルトは、悪魔の囁きにゆれた結果、「誓い」を守れなくて幼なじみを亡くすわけですし、グスタフは誓いを守って幼なじみに殺されるわけですから。
題材はいいのに、なんで、こんなに浅い話になってしまったのでしょう。退団公演なのに。
かなめさんの演技も緒月さんの演技もいいだけに、これ、一本物にしていたら凄いいい話になったんじゃないかなーと思わずにはいられなかったんですよね。

そして、ショーですね。こちらは藤井先生。歌詞がよかったです。全体的に、歌詞は好みでした。
このショーをみて思ったのは、藤井先生っていい人なんだなーと。あと、「もしかして、結構80-90年代の星組が好きだったのでは?」と。
ほぼネッシーさんネタですみませんが、フェニックスのシーンは、「ジーザス・ディアマンテ」を思い出しました。
怪盗カナメールのシーンは、小池修一郎先生の「怪盗アポロン」を。朱雀のダンスシーンとフェニックスの復活までのシーンは「ジーザスディアマンテ」の「コイヌール」のシーンをところどころ思い出しました。
もし、かなめさんが再演で「怪盗アポロン」をしていたらどうだっただろう?朝夏さんはシメさんの演じた貴族役にうってつけだっただろうし、緒月さんはあのときの刑事役(千秋慎さんだったかな?)とそっくりでしたから。
そして、緒月さんとの男役二人でのデュエットでは、ネッシーさんのサヨナラショーでのシメさんとのそれを彷彿しました。

結構楽しいシーンがいっぱいのショーでしたが、「藤井先生いい人だなあ」と思った理由は3つ。

まず一つ目。
最後のほうに、「サヨナラショー」のようなシーンがあったこと。かなめさんが、銀橋を一人で渡り歌うシーン、緒月さん、朝夏さん、実咲さんと次々と「二人で」踊るシーン。

二つ目。
上のシーンで、かなめさんが二人で踊るシーンの最初に緒月さんが来たこと。
(他にもフェニックスの宝石のシーンで、かなりメインに緒月さんをもってきて、かなめさんとのやりとりをいっぱいんしたりとか)

三つ目。
緒月さんを、最後にかなめさんの手前(二番手ポジション)で階段を下ろさせてあげていること。

やはり、一番かなめさんを支えていたのは緒月さんだったろうなと思うのです。
ベルばらのときも、かなめさんに対する包容力とかなめさんの緒月さんに対する信頼度は凄いです。
実際、既に次のトップコンビはお披露目されているわけで、ショーの最後、大階段の最初に「新トップコンビ」を二人で下ろして、もう一度下ろさせることなく、緒月さんをかなめさんの直前に持ってきたことが、かなめさんと同時退団する緒月さんへの餞な気がして、「藤井先生いい人だ」と思ったのです。

ショーは全体的に素晴らしかったです。藤井先生は、かなめさんの魅力を全て詰め込み、かつ緒月さんの出番を意図的に目立つ箇所に増やし、二人が絡むシーンを増やすことで「二人揃ってるのが好き」なファンへサービスし、かつ、どのシーンでもですが、出来る限りかなめさんのシーンに沢山の人を出すことで、「宙組全体でかなめさんの最後を送り出すんだ」というシーンを演出しているのではないかと感じ、ところどころ目がうるうるしました。
とても見所満載のショーでした。

まだ何度か見に行く予定ですので、また気がついたら書くかもしれません。

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

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