日常/心

『白夜の誓い』『Phoenix宝塚』4回目まで観ての感想

既に一度書いていますが、複数回みたことで、新たに気づいたこととか感想を再び。
ちなみに、この後1月31日と2月3日、それから最終日のライブビューイングも観るので、あと何度か書くかもしれません。
(ネタばれを含みます)

『白夜の誓い』ですが、観れば観るほど、今回の役得はニルス(七海ひろき)、イザベル(怜美うらら)、そしてエカテリーナ(純矢ちとせ)だと思います。
イザベルとエカテリーナは出番はそう多くはないですが、娘役トップが(実咲凛音)演じるソフィアに負けないくらい目立っていました。
宙組は娘役に恵まれてるんだなと思いましたね。かつて星組(ネッシーさん・シメさんトップ時代)にいた洲さんや、大空さんトップの宙にいたアリスさんのような、びしっと決められる娘役さんがいるといいですよね。もし、娘役トップと「張れる」娘役がいなければ、エカテリーナやイザベルは専科からの助力が必要だったのではないかと思いました。
七海さんの移動は、宙組にとっては残念な気がしますが、新トップである朝夏さんと顔が割と似てる感じがするので、仕方ないのかな…。
今回、位置的に見えて気がついたのは、冒頭。ヤコブとグスタフの子供時代に「伝説の剣」をヤコブが手作りしてあげるシーン。
ヤコブはずっと剣を作って磨いてるんですよね。それを貰って、グスタフ(幼少)は「国民を守る」と誓うわけですが。
「剣を磨く」のはプレゼントするためでもありますが、後の「軍を強化する」に繋がってると感じますし、ヤコブは「誰をやっつけるんだ」と聞いてますよね。これが、後の溝に繋がる布石でもあるんですよね…。切ないです。
冒頭といえば、パンフをみて気づきましたが幼少時代のグスタフ(星風まどか)。研一なんですね。娘役が男役の子供時代をやるのは珍しいことではないですが、退団公演のトップの子供時代を研一でやるというのは、結構プレッシャーだったのでは。
でも、凄いですね。堂々としていました。これからの娘役ホープなんでしょうか。
ヤコブとグスタフの仲違いについて、観る度に考えてしまうのですが、ソフィアとの仲、リリホルンとの仲、ニルス達との絆が深まるにつれ、ヤコブとの仲が溝になっていくわけですが。もしも、あの仲違いのシーンで、「ヤコブのくれた剣」を出していたら。彼を説得できたのでしょうか。
これは、「風と共に去りぬ」でも思いましたし、今回のソフィアとの仲でも思うのですが、気持ちを伝えずに「あの人ならわかってくれるはず」というのは、大事な関係を崩壊させますね。それは多分、見て見ぬ振りをするのとかとはちょっと違って、親しいからこそのジレンマもあるんだとは思いますが。それって、「わかってほしい」だけでなく「わかりたい」気持ちを、相手以上に持たないとダメですよね。グスタフはイザベルをよぶときに、ソフィアに「君には嘘をつけなかった」といって、イザベルが自分がかつて世話になった人であり愛した人であると告げますが、もし、ここでソフィアに伝えていなければ、あとで解ったときに揉めるでしょうし、同時に、伝えたときにソフィアが「グスタフの過去をわかりたい」と思わずに短絡的に感情的になっていれば、それも「いい関係」は築けなかったと思うのです。
「どうしてわかってくれないんだ」というところに集中すると、解って貰えないんですよね。そして失ってから気づくんですよね。ええ。私としては、グスタフの考え方のほうがヤコブの考え方より好きです。当時の常識はおそらくヤコブ側だったんだろうと思いますが。

『Phoenix宝塚』は、観る度に泣けます。初回より二回目、二回目より三回目、そして昨日。
気づくのが遅いですが、『愛の復活』でフェニックスが復活したときの組子のドレスカラー。雪組のイメージカラーですね。
その後、かなめさんが歌う歌も「雪、星、宙」と移動してきた歴史が歌詞に織り込まれていて、それに気づいた瞬間、泣けました。フェニックスが復活して銀橋から戻ってきて、緒月さん・朝夏さん・実咲さんに肩を抱かれるシーンも。
特に緒月さんとの視線の交わし方がいいです。

何度もみて気がついたのが「刑事キタロール」の場面。
毎回、アドリブが変わるんですね。初めて見たときはネクタイを真似して肩に載せるというのがありましたが、二回目では緒月さんのネクタイが短く肩に載せられず。三回目はETのポスターのように指先動詞をくっつけてましたし、四回目では懐中時計をポケットから出した後、髭ダンスのような踊りをしていました。何度でも観たくなります。
そうそう。今回、「リトルチェリー」といって、怪盗カナメールの子分が出てきましたが、この桜木みなとさん。
新人公演でのグスタフ役なんですね。「風と共に去りぬ」の新人公演ではアシュレだったようですし、本公演でバーサー王、新人公演でリリホルンを演じる 留依蒔世さんと共に、劇団の「次世代の推し」なのかなと思いました。

そして、何度みても、緒月さん・朝夏さん・実咲さんと連続してデュエットダンスするシーンはいいですね。緒月さんとの時は、凄くわかり合えてる感が見えますし、朝夏さんのときは「任せた」みたいな雰囲気を感じます。
実咲さんとのはキスシーンがなんとなく強引で萌えます(笑)。実咲さんが片思いしていて、ずっと躱してたけど最後に顎くぃっ的な。前も書きましたけど『Phoenix』は歌詞もいいです。歌詞に共感したのは、『炎のボレロ』(1988年)の『神様のいたずら』以来です。かなめさんの最後が、このショーで本当に良かったと思います。
なんとなく、次世代のお披露目も兼ねちゃってるところもありますが、緒月さんの二番手ポジションでの階段下りも、途中から一人降りになりますし、二番手・三番手だけでなく、中堅の見所もいっぱいで、本当に藤井先生の愛がいっぱいつまった作品だなと観る度に、思いを強くします。

次の31日も楽しみです。

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

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