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「恋してしまった星の王子 レオン編完結」感想

私がシータヒーリングをするきっかけにもなった、Voltageのシナリオ購入系乙女ゲー、「恋してしまった星の王子」のレオン編が完結しました。
もうね、最高でした。以下、ネタバレを含みます。

Voltageでスーパーダーリンっぷりを発揮するといえば、「眠らぬ街のシンデレラ」の北王子皐月が最高なんですが、シナリオとしては廣瀬さんだけを継続して他はうちきった感じで、続くのか続かないのかわからない終わり方ですし、これは「ファンタジーとしてどう終わらせるべきか」というのをアンケートを取りつつ、いったん休止していたこともあって、終わりの感慨と、よく出来たストーリーに感動しました。
他の現実世界が舞台のアプリは、どうしても日常と絡むところが多いので、終わりが「どこまで継続させるか」で難しいものの「終了ストーリーパターン」は簡単だと思うのです。しかし、「恋してしまった星の王子」は、神様ですし、星座キャラですからなかなか難しい。
特にレオンコースは、他の星座の神様と違って、「王に次ぐ力を持つ神(12神で一番強い・獅子座)」という設定から、「神と人が恋愛してはいけない」というのが他のキャラよりも色濃くでて、最終回である「結婚」ハードルも、「次期王に決定した神と結婚すること」というとんでもないハードルを越えることになるストーリーでした。

同じく蟹座カルノ編も読みましたが、そちらはどちらかというと、神と人が結婚しても人のほうが先に死んでしまい、神は一度しか婚姻を結べないから、長きにわたり取り残されることが中心だった(蟹座は家族愛の星座ですしね)のに対し、レオン編は最初から最後まで徹頭徹尾「愛と力について」がテーマ。
特に自分の力のルーツである「瞳の中の獅子座の印」は大きなテーマとして流れていて、結局この「愛と力」と「瞳の獅子座の印」が最後までキーになった話でした。
レオンは最初、『愛は無駄』だといって神にあるまじきと地上に落とされ、ヒロインに「愛は無駄じゃない」とやりとりしながら、徐々にヒロインを愛するようになっていくわけですが、完結編では、「愛は無駄だとは神にあるまじき」と地上に落とした「神の王」が、レオンに「神の王となるべきレオンに愛は無駄だ」と矛盾したパワハラおっさんみたいな物言いで、ヒロインから記憶を奪い、無理矢理レオンを王に即位させようとして、神々の世界が荒廃するという流れが出てきます。
この時に「退屈だ、余興を」と、前の王みたいなことを言うのがこれまた特徴的で。前の王が何座の王だったかは知りませんが、前の王が退屈だったのは「愛を知らないまま神になったから」なのかなと感じました。

本当にこの「恋してしまった星の王子」のストーリーはよく出来ています。
射手座のトクソルーヴェ本編は、彼が「人間と神の子であるからこその悩み」故のプレイボーイでしたし(射手座の性格だったり、マークだったりから象徴)
蟹座のカルノは、蟹座らしく星が好きでロマンチックで家族愛に溢れてそうな感じ。
そして、この獅子座レオンは、先ほど述べたように「愛と力」、一人でどうにかしてしまうという獅子座の性格が反映されていて、獅子座キャラにありがちな、安易な「ドS設定」や勘違いした「俺様設定」ではなく、獅子座の弱み(頼れない、弱いところ見せられない・見せるくらいなら封印する)も強みもすごく活かしたストーリーでした。

ストーリーの核となるところは書けませんが、獅子座の自分は全編通して、一々レオンの行動に共感しすぎてしまい(笑)、更に物語としても、先ほども書いたようにシリーズの最初と最後がしっかり繋がっていて、矛盾がないようになっているのが良かったです。
これはぜひ、普通に漫画や小説としても読みたい、サーバにしかないの勿体ないと思う話でした。
トクソルーヴェ編本編を読んでいれば出てくる疑問も、カルノ編を読んでいれば出てくる疑問も、レオン編ではなんの矛盾もなくクリアしています。
本当にすごいです。レオン編書いた人、尊敬します。

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

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