宝塚

ベルサイユのばら’45 1月28日昼の部(ネタバレあり)感想

「ベルサイユのばら’45」1月28日昼の部の感想です。1970年代ソングは初風さん、汀さん、榛名さん。平成ベルばらソングは星組回で、日向薫(ネッシー)さん、紫苑ゆう(シメ)さん、麻路(マリコ)さん。トークショーは平成ベルばらの星組の3人でした。以下ネタバレありです。

オープニングは、「ご覧なさい、ご覧なさい」といつも通り。しかし、何がすごいってOGがやってるんですよね、この小公子と小公女たち。さすがフェアリー!
ヅカでは、小公子には後のトップが出る出世役っぽいところがありますが(峰さんとか大地さんとかね)、パンフによると和央さんも小公子経験者なんですねえ… 話がそれましたが、小公子・小公女の違和感ないところがすごい。そして、小公子からの士官Sがまさかの緒月遠麻と華形ひかる!緒月さん、現役と並んでるのに違和感なし。これは嬉しいサプライズでした。ええ、先にパンフ読んでなかったんですよ。なので、素直に嬉しかったです。いいぞ、緒月さん。

士官S二人と小公子・小公女たちが解散すると、これまでのベルばらポスターの映像が。そして汝鳥伶さん登場。なんと、彼女、「初演から出ている数少ない生き残り」であり、ベルばら最多出場者らしいです。市民からジャルジェ将軍、ブイエ将軍、メルシー伯爵までやったとか。さすが。あれ、ってことはネッシーさんより上だけど…。ネッシーさん同期の飛鳥さんは、退団されましたよね。退団されてないってことは定年超えての特別契約ですかね

1970年代(初演)ベルばら

70年代の映像はNHK提供。自分がみはじめたのは78年だったので麻実さんは現役でしたが、ベルばらは終わってたんですよね。だから映像とは言え、「ああ、そうかアンドレやってたのね」ととても新鮮でした。映像のあと、ベルばらはこの方の歌からと初風さんの歌へ。初風さんの「青きドナウの岸辺に」、汀さんの「ばらベルサイユ」、榛名さんの「心の人オスカル」。初風さん、相変わらずの声の美しさでした。本当にいつ聞いても綺麗な歌声です。初風さんはドレス、汀さんも白の上下(上はふわっとした感じ)、榛名さんも白燕尾のような格好でした。

1980-90年(通称:平成の)ベルばら

再び汝鳥さんから、説明。植田先生は、売れたからといってすぐ再演するのは違うと再演を許さなかったそうで、その結果、「宝塚75周年・フランス革命200周年」(平成ベルばら)になったと説明。その後も、ミレニアム、 アントワネット生誕250年 、宝塚100周年、という区切りでのみやっていたとのこと。知らなかった(笑)

再び映像。今度は関西テレビ提供。涼風さんのオスカルから始まり、杜さん・一路さんのアンドレとオスカル、ネッシーさんと毬藻(シギ)さんのフェルゼンとマリー・アントワネットの船のシーン、そしてなつめさんの踊るフェルゼン(シーンは王妃様ーのところ)。映像が終わると歌で、衣装はマリコさんは、多分「狸」の燕尾。シメさんは以前OG公演のうたかたで着ていたような、白の軍服っぽい服装。そして、ここまで舞台衣装ではないけど舞台衣装に近い服装が続いたところで、ネッシーさんが白のパンツに赤紫系のジャケットで「あ、衣装っぽくないぞ」と。そういえば、ネッシーさんって毎回衣装っぽいのは着ないですよね。もしかして何かポリシーがあるのかなと思いました。現役を引いてる以上、現役に近い格好はしないとか。いや、わかりませんが。マリコさん「白ばらの人」、シメさん「愛の巡礼」、ネッシーさん「男の旅立ち」のあと、トークへ。ネッシーさんがシメさんとマリコさんを呼び、「この並び懐かしいねー」と三人で声をそろえたところからスタート。

まずは下級生から自己紹介で、それぞれが自分のやっていた役を。○組で何をやった誰々ですみたいなの。ネッシーさんはアンドレもやったはずですが、「星組でフェルゼンをやった日向薫です」と自己紹介していました。以下、時系列がごちゃごちゃなので、リストに。

  • ネッシーさんがシメさんに「今回オスカルやってどうだった?」と聞いたところ、言葉がでなくなってしまうシメさん。(なんか照れてる?)
  • とりあえず、考える時間も必要だよね…みたいな雰囲気になって別の話に
  • シメさんはNY公演でいなくて、NY公演にはただでさえ少ない人数だったのに13人も取られて大変だった
  • マリコさん、「早変わりの所にシメさんのオスカルの鬘が大量にあって」ネッシーさん「そうそう、いっぱいあったよね」マリコさん「傍から見るとどこが違うのかわからないんですけど」 なぜかシメさんがいじられ役に。シメさん曰く、色々違っていたらしい。
  • ネッシーさんの「劇画だと髪の上にまつげが出てるじゃない?」にシメさん、「眉毛の上にまつげです、再現しようとしてました」
  • 「オスカルといえば、(シメさんは)ベルばらみて入ったのよね?」「はい、安奈さんのをみて」マリコさん「私も劇場中継してるのをみて入りました」二人「ネッシーさんは?」「私?私は、予科だったわ。だから(シメさんとの間に線を切って)ここから倍率違うのよねー」
  • ネッシーさん、小舟のシーンでは息づかいまで習った。「マリー アン トワ ネット」という感じと実演。
  • 国王が下級生だったため、スウェーデンのシーンでは、国王二人(16世とオーストリーの国王)が短パンはいて踊っていた。しかも、フィナーレの並びでは下級生なので国王なのにかなり端の方に国王様がみたいなことになった
  • 「シメは、合格発表でインタビュー受けたのよね」「遅刻したんです。ネッシーさんの出てる(強調)ベルばらみてて。」「合格発表の日、どうなってるかなーと思いながらみてたら、休憩時間に父親から受かってるぞー!って。あわてて言ったらインタビューに答える羽目になりました」
  • マリコさんが当時、新人公演フェルゼンをやりながら、アンドレとして5人のオスカルを相手にした話。偉いわねーと二人。シメさんは東京公演でオスカルをやったけど、ボレロのところでネッシーさん「シメは意外と体かたかったのよね」シメさん「反れなくて(反ってみせながら)」
  • 東宝で、フェルゼンとオスカルで話しているシーン。突然板が落ちて来たけど微動だにせず芝居を続けたので新聞に載った。セリが壊れていて、セリからはけたあと、すごい勢いで移動していた。橋もセリを使ったけどセリが壊れていたので、なんか柵だけになってアンドレのマリコさんは打ち身だらけになりながら演じた
  • シメさんは憧れの安奈さんと隣で歌う事になって緊張してるらしい。憧れの人も、教え子も!いるから頑張りますとのこと。
  • 大分話が長くなったところで、「なんかこう回されてるから(多分手)、そろそろ終わらないと出てこられちゃうわ」とのネッシーさんのことば。「ここでシメてもいいかしら」に謎のポーズ取って「はいシメてください」のシメさんで終了。

シメさんが、ネッシーさんと一緒にいると下級生になるの可愛いです。特に今回はシメさんが照れちゃうところが散見されて余計に。しかし、ボレロのところでの体が硬かったって話。柚希礼音さんが凰稀かなめさんと組んだときも言ってました。凰稀さんが体硬かったって。星組主演同士の偶然の発言一致ですね

トークショーの後は、ネッシーさんが70年代の3人を呼んで「愛あればこそ」を6人で合唱。「みなさまもご一緒に」とはいうけど、無理です。だって聞いていたいもの。

再びMCに。長谷川一夫先生や作曲の寺田先生、振り付けの喜多先生、初演アンドレの麻生さん、二代目アントワネットの上原さん、四代目オスカルの順みつきさん(折しも現在彼女の退団公演だった霧深きエルベのほとりが再演中との注釈あり)、平成のフェルゼンだった大浦みずきさんのご冥福を祈りますというお話から、再現シーンの案内になりました。

再現シーン(オスカルとアンドレ編中心)

オープニングは再演のベルばら小公女・小公子。(再びばらが咲きましたバージョン)。そこからこれからの再現シーンの出演者が続々と。オスカル1は稔(ノル)さん。相手役のアンドレは湖月(ワタル)さん。オスカル2は朝海(コム)さん。相手役は水さん。ああ、当時の雪組バージョンですね。稔さん・湖月さんは2001年バージョンだそうです。フェルゼンは和央さん、アントワネットは星奈さん。和央さんは、Wikiを見る限り「仮面のロマネスク」では見てるけど、あまり当時のことは覚えてないのでほぼ初見です。

この一連のシーンで言いたいのは、谷先生はなぜ、オスカルが衛兵隊と戦った上で処分するなとかばったシーンを削除したんだろう。あれでは、子守歌で心入れ替えただけみたいに見える。その前があってからのシーンだと思うので削っちゃ駄目だと思うんだけど。ああ、やっぱり谷先生とは合わないわ。やるなら入れておけと思いました。それとも初演はなかったのかな。あの、「そう女、女というな」ってやつ。

ノルさんのオスカルの現役っぷり、半端なかったです。でも、ノルさん相手に罵倒するのは緒月さん(アラン役)はやりにくいかもしれないなー、相当上級生だし…と思いました。でも現役っぷりはすごかったですけどね。そして、衛兵隊のシーンは上にも書いた通り、アランとの手合わせはあってほしかったのです。残念。

コムさんのオスカルは声が高くて気になって仕方なかったです。男役声が戻ってきてないのか、喉痛めてるのか…。私がみたベルばらは、平成のベルばら(星、テレビで月)と2006年雪と2014年宙。まさに数少ない見てるやつなわけですが(しかも、今回と同じ組み合わせで)、当時はここまで高い声では無かったと思います。どうしたのかな。コムさんは、当時相手役がロザリーだったからか、戦いのシーンになる前(アンドレが死ぬ前)のシーンでのロザリーとのシーンが激甘でした。ほんの一瞬ですが。やっぱり、当時の癖が出るんですねえ、面白いです。コム・水なので、天国は馬車が迎えに来るバージョンかと思いましたが、そこは通常バージョンでした。

再現シーン(フェルゼンとアントワネット編)

第二部オープニングは、小公子・小公女の「嵐は、嵐は~」から。フェルゼンとアントワネット編といえばこれですよねえ。和央さんのフェルゼンは、どことなくネッシーさんのフェルゼンを思い起こさせました。牢獄シーンの包み込むところの優しげな感じとかね。さっきまでブイエ将軍だった汝鳥さんは今度はメルシー伯爵に。同じ人が演じていても、全く違う人物に見えるところはさすがです。星奈さんのアントワネットも初めて見ましたが、ちょっとはかない感じが良いですね。小舟シーンの再現だったらどうなっていたのか気になりました。

フィナーレ

「小雨」は水さんとコムさん。「ボレロ」は星組コンビ(ノルさん・星奈さん)。ノルさんじゃなくて水さんがまた出てきたかと思ったほどの若さすごい…。そして、水さんだと思い込みながらみて「そういえば、タンゴとかでも一緒にやってたから息が合うんだろうな」と思ったら相手役でしたっていう…。薔薇のタンゴのワタルさんは、ネッシーさんの時代と同じ「オラオラ系男役による薔薇タン」。そうそう、この感じ。さすが、ネッシーさんトップ時代の組子だけあるわ。ワタルさんトップでフェルゼンやったときに、ネッシーさんが応援にかけつけたのをスカステニュースでみたのを思い出しました。そして、フィナーレのエトワールは再び初風さん。階段を降りることはなく、正面から小公女たちに囲まれて出てきました。すごいのは、彼女のハイトーンの伸びと、その伸ばす間、微動だにせず同じポーズでとどまる小公子・小公女たち。すごい、すごすぎる…。そこから徐々に下級生順に出てきて、愛あればこそで終了しました

アンコールで指揮者を紹介したあと、初風さんが「もう上原さん準備はよろしいかしら」とエンディング曲を流すようにいった瞬間、まだですよと榛名さん・汀さんがツッコミ。挨拶するんでしょと。途端、「あなたどうだった?」と振られる榛名さん。なんとなく榛名さんと汀さんが一言ずついって、初風さんが挨拶してから予定通り曲が流れて終了となりました。

兎に角楽しくて幸せでした。次、2月5日なんだよなー…しかもB席なんだよなー、もっとみたいなーと思いつつ、さっき休憩時間に「本日のチケット」といっていたのをなんとなく思いだし、急ぎロビーに向かったのは言うまでもありません。というわけで、28日夜の部の感想へ続く…。

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

2件のコメント

  • ima

    はじめまして、imaと申します。
    28日昼公演を 観劇しました。
    (15列目の端っこでした)

    憧れ続けたベルばら、夢のような時間に無我夢中で
    終わった後は ほとんど覚えていませんでした。
    なので、こうして文字にして頂けて とても
    嬉しいです。
    読ませて頂きながら そうそうそうだった!
    みたいな。
    やっと咀嚼出来ましたし、その他の回も興味深く
    読ませて頂きました。
    ありがとうございました。

    コムさんの お声が 高かった事、残念でした。
    メイクも自然で コムオスカルが1番好きな私には
    少し もの足りませんでした。
    タカコさんの黒燕尾姿は 今でも目に焼き付いています。
    キタさん、ミツル君、それぞれに 惚れました。
    出来れば 壮さん出演回も観たかったです。

    が、諸々な事情で 一回のみの観劇です。
    それでも、本当に幸せでした。
    現実逃避したくなったら またお邪魔させて頂き、
    あの日の夢を持ち帰ろうと思います。
    ベルばら日記、ずっと残しておいて頂けますよう
    切に お願い致します。

    • Tomoko

      はじめまして、imaさん。コメントありがとうございます。平成部分の映像の箇所が一部消えていたので(多分保存ミス)、追記しました。
      本当に夢のような時間でしたよね。え、もう第一部終了?え、もう第二部も?というような感じでした。
      コムさん、やはり声高かったしメイク違ってましたよね。2月5日の夜はメイクは28日と同じでしたが、声はもう少し低くなってました。
      ミツルくんは華形さんですよね? 格好良かったです。彼女は現役ですが、キタさんとかタカコさんとかノルさんtか、卒業した人の現役感もホントすごかったし
      格好良かったです
      壮さんの回も見たかったの、私もです。
      やはりなかなかあれもこれもとは難しいですよね。
      感想、気に入っていただけて嬉しいです。はい、ずっと残しておきますのでまた読みに来てください

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください