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ベルサイユのばら’45 2/5 夜の部 感想(ネタバレあり)

マイ千秋楽。本日の目的は、勿論日向薫(ネッシー)さんを見るの前提で、朝海ひかる(コム)さん(オスカル)×貴城けい(かしげ)さん(アンドレ)、そして凰稀かなめさん。チケット申し込んだときは金欠だったので、B席ということで席は前回に比べるとかなり悪い3F席。正直、前から5列目とはいえ3階なのであまり期待してなかったんですが、思ったよりよく見える席でした。オペラグラスが全くいらないとは言わないですが、私のオペラグラスは安いやつなので倍率もレンタル出来るのと同じかそれ以下なので、本当に遠いと意味を成しません。でも、問題ありませんでした。以下、ネタバレありです。

1970年代オール ソング&トーク

今回のソング&トークは、初風さん・榛名さん・安奈さん・汀さんの4名。初風さん「青きドナウの岸辺」、安奈さん「愛の巡礼」、汀さん「ばらベルサイユ」、榛名さん「白ばらの人」で榛名さんが歌い終わった後、榛名さんが「アントワネット様」と呼び、初風さん登場。「アンドレ」と言いながら入ってきて「アンドレよね、オスカル?」。「アンドレです」のやりとり。「オスカルを呼ばないと」との榛名さんに「今日はオスカル沢山いるのよね」。ここで、榛名さんがアンドレの声で「オスカール、オスカール、オスカール」。まさかこれがトークの前振りになるとは…。「45年ぶり?お久しぶりねー」と前回と同じスタートを辿りつつ、「ベルばら4強よ」と初風さんが他の3人を紹介。榛名さんから全国ツアーの話をしてと振られて安奈さん「昨日はパンツ破れた話だったけど、今回は函館公演の話」。

  • 汀さん、榛名さんはこのツアーには一緒では無かったらしい。
  • 汀さんと初風さん、実は舞台で一緒になるのは初めて。
  • 「オスカール、オスカール、オスカール」というところで3回目で起き上がるのだが、そこに被せるように、館内放送が入り、「マノユリコさま、マノユリコさま、マノユリコさま」と入り、まのゆりこさんをカウントする羽目に。起き上がったところで、『お母さんが○○でお待ちです』と、まるで迷子のまのゆりこさん=安奈さんのようなことに
  • さらに、信長をやっていたら、火災報知器がなりざわざわ。信長で踊っているところで今度はさっきのおじさんの声で「さきほどの火災報知器は誤動作です」
  • 「信長」について、「え、オスカルと信長やったの?」と榛名さん(汀さんかも?)からのツッコミ
  • 「そう、ベルばらと信長の二本立て」「豪華ねえ」
  • 自分達の函館公演の前が女子プロレスの興業だったので、楽屋が女くさかった
    • あなただって女じゃない、っていうか女子プロレスの匂いってどんな匂いなのというツッコミ
  • 初風さん、榛名さんについて「この方、記憶力すごいのよね、全部覚えてるのよ」。榛名さん「そう、全部覚えてる。記憶力いいからねえ」。初風さんあやかりたいわーと、、お寺の煙あびるやつのようにして、榛名さん「わけてあげるわー」と初風さん方向に頭を向けて手で頭のなかが初風さんに移るようにする動作。汀さん「私は全く記憶ないわ」
  • 榛名さん、平成元年のベルばらから振り写しと演技指導をしている話。10キロは太ってるから体型全然違うけど、喜多先生の心を教えないと喜多先生に怒られる。だから今回の公演で、教え子たちが出来ているのをみると嬉しくなるとのこと。初風さんから「ベルばらの伝道師ね」
  • 榛名さん、安奈さんはとても体が柔らかくボレロでこうするところ(といって娘役をかかえて左右に揺らす動作)でなんなくできた
  • 愛読者大会で一度だけ汀さんとやったら「カッチカチや」だった
  • 榛名さん「安奈さんはアラベスク(足上げる動作を手で再現)も、さっと出来て」汀さん「私できてなかった?」「出来てた、だけど上がり方が違う」
  • 榛名さん「あのボレロは相手役によって替わるのよね、私、ツレちゃん(鳳蘭さん)とやったことあるのよ」 初風さん・汀さん・安奈さん「え、え どっちが女」「それでね、ツレちゃんはね」「え、どっちが女?」
  • そこでアントワネット様、袖に気づく。ベルばら4強は「え?どっちが女?」「それでツレちゃんはこうするときにキスするのよ、それで…」
  • アントワネット様「メルシー(汝鳥さん)、これからが良いところなのよ?」メルシー伯爵「いえ、お時間でございます」アントワネット様「これも、それも全て私が責任を取ります。」(客席拍手)「マリー・アントワネットはフランスの女王なのですからーー」(客席大拍手)
  • メルシー伯爵「はい、それでは一通り?やりましたので、お時間でございます」(冷静)

ちょっ、榛名さん、続き気になる!! キス?キスするの? 鳳さんも格好良かったしなー。もう何をみたかまでは思い出せないんだけど(小学校低学年だったので)。しかし、「え、どっちが女」には笑いました。そうそう、今回、「オペラグラス越しに目が合った感じ」を初体験しました。「うわ、こっち見た」じゃなくて。「目が合った!」っていう感覚。3F席なので冷静に考えるまでもなく、合ってるわけないんだけど。ちなみに、安奈さんでした。すごいなー、やっぱり男役なんですよね。トーク、もう終わり?って感じだったんですが、こう書き出してみるとかなりの量ですね(笑)

今回、パンフレットの植田先生のインタビューもそうですけど、榛名さんの振り写しの話とか、宝塚とベルばらへの愛に溢れていて、すごく感動します。平成元年といえば、榛名さんが退団する前か退団した直後くらいからでしょうか。フェルゼンの振り写しは、ネッシーさんもやっていたと仰ってた覚えがあるので、星組のときは演技指導とフェルゼン以外だったのかなと思ったりもしました。そうやって、教えがちゃんと伝わっていくってすごいですよね。

記念すべき年だけのベルばら

平成のベルばらの前に、ベルばらが記念すべき年だけに上演されているお話がありますけど、毎回納得いかないのがひとつだけ。平成元年の理由が「宝塚75周年」ってところ。そこは寧ろ、1789だった…つまり、フランス革命200周年だったことを強調すべきではないのかと。

1980-90年代(通称:平成のベルばら)歌の部

こちらは28日夜の部と同じ。杜けあきさんのアンドレと、ネッシーさんのフェルゼン。杜さんは28日よりも、アンドレが乗り移ってる感じに見えました。ネッシーさんは相変わらずカッコイイ。やっぱり、私にとって永遠のフェルゼンはネッシーさんだわ。そして、勿論、レジェンドと6人で「愛あればこそ」。みなさんご一緒には相変わらず勿体なさすぎてご一緒に歌えませんでした。考えてみると、ネッシーさんは榛名さんトップの月出身。レジェンドを呼ぶ役をやるのも、初舞台がレジェンドのベルばらだったからなのかもしれませんね。

再現シーン コムカル&かしドレ!

お待ちかねのコム×カシによる、オスカル&アンドレ。残念なのは、衛兵隊のシーン担当なのでバスチーユ⇒天国シーンは、別の組(彩輝なお×麻路さき)だということ。コム・かしでのいちゃいちゃシーンが見たかった。かしげさんのアンドレはスカステ以外では初見。噂には聞いてた「貴族にしか見えないアンドレ」!これかー。いや、本当に品が良くて、荒ぶる衛兵隊に手をあげるわけではないが、にらみをきかせながら決してオスカルからも目を離さず。人によってはアンドレでもアランでも良い意味でワイルドな感じが出たりしますが、かしげさんのアンドレは品が良い。どこまでも品が良い。1月28日夜の部のオスカルでも、男役っぷりを半端なくみせつけてくれていましたけど、このアンドレ役は、「抱擁力のある男役っぷり」を更に見せつけてくれました。やっぱり、かしげさんの男役は良い。1作トップ退団なんて本当に間違ってるわ。そうそう、前回気になったコムさんの声、今回は時々高いかな?と思うところがあれど、前回のような違和感は感じませんでした。やっぱり前回は男役声が戻ってきてなかったか、喉痛めてたんじゃないかなあ…。

再現シーン 麻路アンドレ(懐)

ソング&トークにも、再現シーンにも両方出てるただ一人の人じゃないですか?気のせいでなければ。麻路さんのアンドレといえば、星組東京公演での橋のシーンを思い出します。紫苑ゆう(シメ)さんのオスカルだったときの。シメさんが「なぜ、ついてきたー、離せ!!離せ!!!」と超暴れて麻路アンドレに近づこうとするシーンが迫力で。未だ、あのシーンでシメさん以上にアンドレを求めて暴れたオスカルは見たことがありません。トークで「打ち身だらけ」と聞いた時に「え、麻路さんが?シメさんがじゃなくて?」と思ったんですが、今回みてわかりました。シメさんの暴れっぷりに目が行ってて覚えてなかったけど、麻路アンドレの撃たれっぷりも、これ以上の人はいないですね、多分。なんというか、撃たれて動く半径が他のアンドレと圧倒的に違いました。ふと思ったんですが、いっそシメカルで再現してもよかったんじゃ……。麻路さんやるんだし…。というか、麻路さん男役度が、現役以降も上昇してる気がするんですけど…。 彩輝さんのオスカルは、割と女性っぽい気がしました。薔薇タンが女性バージョンなのも納得です。

再現シーン 湖月フェルゼン・白羽マリー

この組み合わせは初見。湖月さんは星組なのでネッシーさん直伝のフェルゼンかと思いきや、和央さんのほうが、ネッシーさんがやってたフェルゼンを彷彿させていたなと。(良い悪いではなく、タイプの話)。牢獄のシーンで思ったんですが、白羽マリーは強いですね。

フェルゼンとアントワネット編でちゃんと見たのはネッシーさんのだけなので、マリー・アントワネットといえば、毬藻(シギ)さんだけなのですが。今回、3人のアントワネットがそれぞれ牢獄のシーンで結構違っていることに気づきました。誰が良い・悪いでなく、あくまで自分の受けた印象です(シギちゃんのマリーは自分の記憶から)

  • シギマリー:フェルゼンに気づいてからのシーンがひたすら「健気」。出来るならまたフェルゼンの胸に飛びこみたいけど、それをぐっと押さえて母の命をまもり、フランスの女王として死にたいというのが伝わってくる。守ってあげたくなるの、わかる!という感じ。覚悟が伝わるだけに、どうにかしてあげたい、守りたい、でも彼女の思いを無駄にしたくないというジレンマに陥るのわかるわ。
  • 星奈マリー:3人の中で一番、死期への諦めを感じる。台詞は基本的に、シギマリーと同じ。フェルゼンに気づいた時の驚き方がシギマリーに比べて小さめ。フェルゼンのことを愛してないわけではなく、王妃としていくことに覚悟が決まっている感じ。華やかさとの対比が一番出るのは彼女かな。
  • 白羽マリ-:気のせいでなければ「私たちはこれまで、耐えに耐えてきたではありませんか」「私が母に言われた言葉に、オーストリーの人間ではなくフランスの人間になりなさいという言葉が…」が無かったような気が。この部分は結構、シギちゃんも星奈さんも強めにいう感じだったのを、他の言葉と同じ強さで言っただけかもしれませんが…どちらにせよ、その二つの言葉の存在感が薄かった。そのせいか、守ってあげたいというより、フェルゼンと対等で、一緒にいけないのを説得しているような感じ。階段登った後の死に方もとっても凛としていました

フィナーレ

「ばらベルサイユ」緒月さん、「愛の柩」かしげさんは28日夜と変わらず。やっぱり、かしげさんカッコイイとなりつつ、かしげさんから凰稀さんへ。この二人、雪御曹司からの宙トップという不思議に共通点があるんですよね。かなめさんの「テル」は、かしげさん命名らしいですし。その「テル」は今使われてないのはかなり切ないんですが。個人的に。「花の命」、久々に聞きました。かなめさんの衣装は以前の衣装をそのまま。やはり似合っていました。この後、薔薇タンが女性バージョンだったんで、いっそかなめさんがやればいいのにとは思いましたが、やはり練習時間との兼ね合いとかなんでしょうか。かなめさんは、割と女性らしくなったなーというのが今回の印象です。まあ、天国での歌なので、もともと、「肩肘張らない素のオスカル」なので、余計そう感じたのかも知れませんが。

さて、今回のフィナーレ、何が困ったって目のやりば。だって最後に一列にならぶの主要キャストですが、左端に凰稀かなめ、右端に貴城けい、真ん中の左寄りにネッシーさん、その斜め後ろ(左寄り)に緒月さん。まさに、「どこみればいいの?」状態。見たいところ多すぎる。かしげさんのアンドレをみてカッコイイ、相変わらずコムさんと仲よさげだなと思ったり、ネッシーさんが汀さんと目を合わせて歌ってるのを見たりしてたら、ツイッターで見た話だと緒月さんとかなめさんがアイコンタクトしてたとか。思い切り見逃しました。

恒例の楽団・指揮者(上垣さん)の紹介のあと、「ショウちゃん、何かある?」と榛名さんにふり、「また、突然ふるー」といってからご挨拶。次に汀さんに振りご挨拶。「では…」ってところで汀さんが何か言うので、「あ、安奈さん忘れてるってツッコミかな?」と思ったら、「ああ、そうでした。凰稀かなめさん」で、かなめさんご挨拶。そうそうたるメンバーから見守られた主演男役最下級生、超下級生モードに。ネッシーさんも超見守ってる感じで見ていて、「あー、これは緊張するわ」と見てる側でも思いました。

かなめさん:私はベルサイユのばらがずっと好きで、なのでこういった場に呼んでいただけで嬉しいです。今日一日夢のようでした。残念ながら私は今日だけで、24日には来られないのですが…

初風さん:あらまあ、そうなのー? 今日だけなの?

かなめさん:あ、はい。私は今日だけなので…、ですから(焦り)(焦り)24日の千秋楽が良いものになることを心よりおいのりいたします。(会場笑)

文字にすると怖く見える気がしますが、実際はほのぼのとした感じでした。まあ、レジェンドの皆様に「あら、来られないの」と言われるのは、緊張するでしょうけれども。超下級生モードのかなめさんは本当に可愛かったです。

今回のフィナーレでのトークもそうですけど、今回のトークは非常に貴重でした。函館の話もそうだし、ふり写しの話もそうだし、「マリー・アントワネットはフランスの女王なのですから」(初代バージョン)も決めましたしね。DVDに入れて欲しいところです。

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

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