『坊主失格』読了
amazonでの評価が「小池ファンにはいいけど、初めて彼の著作を読む人にはちょっと」とか「本当にこの人、暗かったんだ」みたいなのがあって、本屋で確認しないと購入する勇気がなかったんですよね。昨日、本屋でパラ見して買ってきました。
一日で読み終えてることからも解るように、ものすごく引き込まれる本でした。
前日に読了した「1日10分で人生は変えられるのに」は、天使のガイダンス(直感)がどのような影響をドリーンに与え人生を変えたかでしたが、これもまた(ある意味)同じ種類の本です。
直感じゃなくて、原始仏教だけど。
ただ、この本のすごいところは、小池氏の子供の頃から現在までを時系列で追っていて、その時々で持つ闇が煩悩でいうとどういう種類なのか、それを正当化するときの心の動きはどんなんだったかが書いてあることです。
ここまで書いちゃっていいの?と思うくらいに、本当に心の奥底のドロドロしていたところまで書かれているというか…。
つまり、小池氏自身をサンプルにしての心理分析および解決書なんです。分析手法と解決方法が仏教ですが。
自分と似ている部分では、「ああ」とものすごく実感するし、逆に私にとっての長年の疑問である「なぜ、私が好きになる人は、裏切りにも似た、私を怒らせることをあえてやってみたりするのか」という疑問が晴れました。
怒らせることを(こっそり)しておいて、それを私にみつかるように仕組んだり、自ら暴露したり。
その上で「怒ってるでしょ、怒ってる貴方とは話したくない」とかね。
それでいて、「ああ、じゃあ私は不要なのね」って謂うと、それはそれで怒るみたいな。
おまえは何がしたいんだ!
っていうのが、ずっと疑問だったんですよね…
小池氏はそれを「やる側」を散々体験して来たらしく、一人一人考え方は違うから同じだとは思わないけど、まあ似たような心の動きだったのかーと。なんだか妙に納得しました。
小池氏の相手の反応も、私とよく似ていたので余計に。
本当に疑問だったんですよね、去年なんて手相で聞いちゃったくらいです。
「なんで私を偽善者呼ばわりする人は、自分の悪行(私が気づいてない)をあえてばらして去っていくのか」
ってね。まあ、その時は「貴方が(相手に対して)後ろ暗いことがないから、相手が自爆するほかないんですよ。かわいそうな人たちです」と言われました。
(おおざっぱに言えば)自分の影響力を確認したかったというのなら、納得です。
こういうたぐいの人たちには、いくら自分が努力と根性と忍耐で対応しても無駄だわ。
いや、無駄と言うより互いのために悪いわ。
耐えれば耐えるほど、どん欲に影響力を駆使したくなるみたいだから。
これが解っただけでも読んで良かったと思うんですが、もう一つ。
私にとって、とても役に立ったこと。
それは、前向きに頑張ろうとしているときに限って、過去の暗い記憶がよみがえったり、悪夢をみる場合のことです。
いろんな本を読んでも、「それは過去を手放してないから」と言うのだけど、じゃあ手放すってなによって思うと「気にしない」とか。
だから気にしないようにするにはどうしたらいいかわかんないんだっつーの!
という部分が多々ありまして。「思い出す時間というのは妄想しているのだから、やるべきことを淡々とやっていれば、他の記憶が邪魔しに来てもさくっと消せる」というの以外に、いい解が見つけられなかったんですね。
これもスマナサーラ氏や小池氏の著書から得た方法ですが。
この本では、彼が闇から立ち直るときに同様のことが(瞑想中に)あったと書いてありました。
心を静かにしていても、暫くすると浮かんで来ちゃうのは私だけじゃないんだと。
夢に出てくるのは未練なのか、全く克服してないからかと思ったけど、克服するチャンスだからでてくるのかと思えば納得です。
それが出てきたこと自体で、自分を責める必要はないですしね。
というわけで、確かに暗い本ではあるしファン向きかもしれないけれど、私にとってはとても有用でかつ前向きになれる本でした。
Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。
二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。
現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。