映画・曲・本の感想

「クソ野郎と美しき世界」を見てきました

稲垣吾郎が出ているということで、「クソ野郎と美しき世界」を見てきました。
以下、ネタバレを含みます。

「新しい地図」の話題になった動画に続いて、稲垣吾郎主演の『ピアニストを撃つな』が始まりました。
フジ子という派手な女性が町中を走りまくるシーンをみた瞬間、思ったのは「あ、これは由緒正しいアイドル映画だ」ということ、そして「このシーン、ピンクレディで似たようなのをみた気がする」でした。
たしか、ピンクレディが町中を逃げ回るシーンを見た記憶がうっすら。

そこで、調べてみました。
https://movie.walkerplus.com/mv18733/

映画のストーリーはリンク先を見て貰うとして

3本から成るオムニバス式で、1話目が愛の物語、2話目がモンスターとUFOとピンクレディの物語、3話目が西部劇。
そして、それ全体が「ピンクレディの映画を考える」という一つのストーリーが覆っていて、最後に本人たちが帰ってくるというところで
終わるようです。

私が記憶していたのは、どうやら2話目のピンクレディが逃げるシーンだったのかもしれません。

そして、改めてストーリーの概要をみると構成がとても似てることにも気づきました
1話目が愛の物語 2話目が人ならざるものとの話、3話目がハードボイルド系という意味で。
もしかして、4人の監督あるいは、元のネタを作った人はこの映画のことを覚えていて、つまり、それをパロディにして作ったのではという気もします。
園子温監督は84年デビューだそうで。ピンクレディの映画は78年だから、覚えていても不思議ではありません。
当時のジャニーズの映画(トシちゃんとかマッチとか)は、今のジャニーズを主演にするドラマと同じで「ジャニーズが主人公であること、カッコイイこと」を前提に作られていました。
ジャニーズのアイドル映画といえば、たのきんトリオです。でも、調べたら、記憶通り、トシちゃんはトシちゃんで、マッチはマッチで、ヨッちゃんはヨッちゃんで主演した映画を作っていて、強いて言えば、トシちゃんの映画の同時上映にヨッちゃんというのはあったようです。
ちなみに、ピンクレディの映画は1978年。ぴったり40年前です。自分の記憶では、ピンクレディの後からアイドル映画が全盛になった記憶があります。
当時小学校低学年だったので、記憶に自信はないですけど。

つまり、「ジャニーズ3人でやる映画」を、あえてたのきん映画ではなく、「ピンクレディ映画」にしたことで、悉く反対方向を見せたような気がします。
考えすぎでしょうか。

そんなわけで『ピアニストを撃つな』が始まって早々、ピンクレディを思い出しつつも、「この監督嫌いじゃない」と思いました。
というか、趣味が似てるかもと(苦笑)。
まず思いだしたのは、ガス・ヴァン・サント監督の『誘う女』のマット・ディロン。
この映画のマットは、あっという間に死んでしまうヒロイン(悪女)の夫役でありながら、「コテコテのディロン」でした。
監督が萌えてるディロンの姿をを次々に出したでしょっていう。
それと、出てくる女の子が、その昔『E’z TV』でやった岡村靖幸の(E)naを彷彿とする感じ。後で知りましたが「みんなエスパーだよ」の監督だそうで、その主題歌といえば岡村靖幸なわけで…。MVは映画からのカットを繋いだやつで、凄くしっくり来たんですよね。

ちなみに、そのEZTVの靖幸がこれです。

まあ、そんなわけで、ストーリーそのものは短いものでしたけど、吾郎ちゃんのコテコテっぷりと、良い感じの変態っぷりと、そして、文学少女がイチイチ純文学の作者を言っていくのを、なんのタイトルに準えてるのかを考えるのが楽しくて、それもまた、監督の「ゴローデラックス」ネタなんだろうと思うと楽しくて。

そして、吾郎ちゃんも、「ファンが喜ぶだろうツボ」を「敢えて的確に突いて」演じてる気がしました。
「ザ・ゴローっってこんな感じでしょ?」って。
乙女ゲーだって、ここまで「愛してる」って繰り返さないよ。

そんなわけで、コテコテで良い感じに変態っぷりな稲垣吾郎を堪能しつつ、最後のバイオレンス部分にはドキドキしつつ
あっという間に次のストーリーへ。

『慎吾ちゃんと歌喰いのまき』。歌喰い、これは怖い。でも、スマップの有名な曲を彷彿するシーンもあって、思わず「ああっ」ってなる話でした。
慎吾の描く絵がおいしそうっていって食べられるってことは、彼女の為に絵を描いてあげ続ければ、もう被害に遭う人はいないんだろうか。
そうなると、絵にやどった音楽は、またリサイクルしないと彼の中から消えてしまうんだろうか。
とっても謎でした。

そして、草彅剛の「光へ、航る」。
思わずもらい泣きしました。子供ネタは涙腺弱いんだって。草彅がどうやらヤクザっぽいこと、そして電話をかけてるところで、「ああ、ここで第一話の人物と繋がるのか」と思ったら、案の定でした。2時間ドラマにありそうな感じです。24時間テレビとかでもありそうな…

そして大団円…と、その後の謎の歌。
現実なような、非現実なような不思議な空間で、なんというか不思議の国のアリスのような。
大団円では吾郎ちゃんの指が微妙にごつくなっているようにみえる瞬間もありました。あまりに画面切り替わりが早いので、明日もう一度みてこようと思います。

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

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