ノルウェー語学習:ikkeと他の副詞の位置関係
ノルウェー語の勉強をしてて、行き詰まったものの一つに「語順」があります。主に、副詞の位置ですが、これは、「従属接続詞の場合は動詞の前」「接続詞がない場合および等位接続詞の場合は動詞(助動詞が先にある場合は助動詞)の後ろ」ということで解決しました。ついでに、その単語が副詞かどうかは覚えるってことで解決しました(笑)。先々週のレッスンでも副詞の位置については理解してると評価もしてもらえました。しかしここで問題が…
では、副詞が二つある場合は?
単体で副詞を使う場合、たとえば「彼は家にいるかもしれない」(”かもしれない”が副詞)とか、「彼は家にいない」(否定が副詞)。これは簡単で、どっちも動詞の後ろに副詞を入れれば良い。「Han er kanskje hjemme」とか、「Han er ikke hjemme」とか。でも、「彼は家にいないかもしれない」だったら?動詞の後ろなのはわかるけど、「かもしれない」と「否定」、どっちを先に??
ワークブックによると、「ikkeは他の副詞より後ろ。ただし、alltidと使うときはalltidの前」とのこと。「残念ながら、彼らはオーロラを見られませんでした」=De fikk dessverre ikke se nordlyset.
「彼らはいつも正しい選択をするわけではない」=De gjør ikke alltid de riktige valgene.
これは、なんとなくわかりますね。残念ながらは「見られません」にかかっていますし、「いつもではない」だから「いつも」を否定=alltidの前に否定形。逆にalltidの後ろだと「いつも~しない」になりそうですが、その場合は「aldri」になるはずです。だから前。
と、ここで次の問題文を読んで疑問が。
次の文の正しい位置にikke,nokを入れる
De er enige.
nok,nok…
nok…。ワークブックには、前述したように「ikkeは他の副詞より後ろ。ただし、alltidと使うときはalltidの前」とあるけど、nokもikke nokとか使うはず…。たとえば、「時間が足りない-」というときに、「Jeg har ikke nok tid 」とか。ということは、nokも、alltidと同じ種類なのか?
そんなわけで、ここはあえて、教科書の説明文を無視して『De er ikke nok enig』にしたわけですが、これは不正解でした。正解は『De er nok ikke enig』。意味は私が想定していた、「彼らは納得していない」(=十分に同意していない)ではなく、「彼らはきっと賛成しないよ」でした。
先生に指摘されるまですっかり忘れていましたが、nokには二つ意味があります。一つは「十分な」です。私がよく使う「ikke nok tid」のときのnokがこれ。そして今回の課題に出てきたnokは、確度の高い「多分」。「きっと~なんだよ」ってやつです。80パーセントくらいの確率で確信してる「多分」だそうです。
これ、じゃあ「十分な」な方が副詞ではないのかなと思ったら副詞でした。なので、nokは「十分な」の意味で使う場合はikkeの後ろ。「きっと」の意味で使う場合はikkeの前ということになります。先生から「こういうのもありえるよ」ということで、「Han er nok ikke nok hjemme」という例文が。たとえば、彼の子供が彼に全然なついてなかったりした場合に、「きっと家にいなさすぎるんだよ」みたいな感じで使えるようです。最初のnokが「きっと」で、あとのnokが「十分に家にいない=家にいなさすぎる」部分です。日本だとあるあるかも。子供産まれたばかりだけど、残業しまくり飲み会行きまくりとかで、「知らないおじさんだー」って人見知りされて泣かれるという。自分が子供を産んだ頃は、良く聞いた話です(笑)。
結論としては、『ikkeは基本的には他の副詞より後ろ。ただし、alltidと「十分な」の意味の時のnokと使う場合は前。』ってことで覚えようと思います。
Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。
二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。
現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。