ノルウェー語

ノルウェー語:現在完了形のニュアンスについて聞く/職場で使えるノルウェー語

先日、NTNUの無料コースをやっていたところ、気になるフレーズがありました。黄色い箇所です。

意味は「今日は僕、自分でリュックの準備をしたんだよ」と、「幸いにもエリックに連絡がついたんだ」という意味なのですが、これ過去形でよくない?と思ったんですよね。そこで、年始一発目の今日のレッスンで聞いてみました。

現在完了形でというと、英語の授業でも学んだように「継続、経験、完了」ですよね。「10年間ずっと済んでる」とか「~したことがある、~したことがない」とか、「たった今~した」とか。あとは仮定法での「~し終えたら~しよう」とか。(この戦いが終わったら結婚式だ!とか)。

リュックの準備もErikに連絡が取れたことも、これまでの意味ではちょっと合わないですよね。たったいまリュックに荷物を入れ終えたわけでもないし。そこでもしかして何かニュアンスがあるのではないかということで聞いたのですが、ありましたよ。

まず最初の文では「今日」ではなくて昨日なら過去形にしなくてはいけないのだそうで、今日だから使えるのが前提。その上で「やった」というより、「僕が!」というところにフォーカスしたニュアンスになるそうです。後者もErikに頼めたことそのものを強調するニュアンスがあるそうです。

ちなみに「å få tak i」には、元々はがっつり掴む、掴んで振り向かせるなどの意味から、現在は連絡がつくという意味があるそうで、今回の場合は文脈からErikに頼めた、Erikをアサインできたみたいな感じです。

この現在完了形のは、読めるには読めるのでいいのですが、やはり自分としては話せるように・書けるようにもなりたいので、細かなニュアンスは知りたいところだったのです。

職場で使えるノルウェー語

言葉を取る・言葉を与える

次に気になって聞いたのがこれ。これは「会社での一コマ」です。

このSå tar sjefen ordet. ordetは「言葉」、tarは「取る」sjefenは「上司」なのですが、Google翻訳するとこんなことに!

床に着く!!上司は会議室で寝たのかって感じですが、そういうわけではなく、この”Så tar sjefen ordet.”は英訳すると”Then the boss takes the floor.”になるそうで。Google翻訳はノルウェー語⇒英語⇒直訳日本語になるのでこんなことになります。(更にフロアが床(ゆか)なのにtakeした結果「床につく」と全然仕事中の話じゃなくなっている)

英語が得意な人はあたり前のフレーズなんでしょうけど、「to take the floor」で「発言する(発言する権利を取得した)」という意味のようで、会議で口火を切るような場合や他の人の話を遮って自分が話す場合などにも使うそうです。元々の文脈では、会議室に呼ばれて行ったら知らない人がいて「誰だろ」と考えてたところに、上司が「tar ordet」したので、上司が口火を切ったみたいな感じですね。「発言権を取った」という意味合いから、後者のgir ordetの部分は、マティーセンに発言権を譲るという感じで、間違っても「命令した」という意味ではなく、寧ろ、超丁寧な言い回しだそうです。「それでは、このプロジェクトについて、マティーセンにプレゼンしていただきます」みたいな。日本語辞書(dict.com)では命じるという意味が掲載されていて偉そうな感じなので真逆です。

有効…?何に??

そして、三つ目。

マティーセンはプロジェクトについてプレゼンする。プロジェクトはかなり大きいものだ。彼の会社はFjordvik郊外に新しいショッピングセンターを作ろうとしており、コンサルタントを必要としている。計画・遂行の両方に対して、考慮すべき事が多くあった。

意味はこんな感じなんですが、文法的に混乱したのは「gjelder」。これは「有効」という意味なので、AとBの両方」という言い回しの間に「それが有効なとき(når det gjelder)」が入るのは変に感じるし、何に有効なのか…?という疑問が残ります。文脈から意味はわかるんですけどね。単語として取るとおかしくかんじるというか。自分が文章を書く場合にこの書き方は思いつかないというか。

聞いて見ると、このgjeldeには「~に有効である」という意味のほかに、「関わる」「関する」という意味があるそうで、『når det gjelder』 で、「~について」という意味になるそうです。gjelderは、よく、電話対応でも使われるそうで「Hva gjelder det?」で「ご用件はなんですか」になるそうです。グーグル検索してみたところ、Språkrådet(※辞書を作っているところのサイト)にこんなことが書いてありました。

「仕事で承諾する文面を書くとき、” vedrørende“と”angående”のどちらを選ぶべきか悩みます。どっちでもいいものなのでしょうか」
答え「文法上これが唯一の答えだとか、別の単語を使うべきだとか指摘するのはとても難しいことです。よく使われるシンプルでエレガントな単語は”om”が代わりに使えますし、自然にということであれば「som gjelder」が使われます。(” vedrørende“と”angående”の)両方ともとても堅苦しい言い方ですが、 vedrørendeのほうがよくつかわれているかもしれません。どちらもフォーマルな場合以外ではあまり使われない感じです。『om』『når det gjelder』『som gjelder』は、同じような意味でフォーマルな文面でも安心して使えます。

※管理人註: ” vedrørende“と”angående”は、どちらも「~に関連して」とか「~について」 という意味です。omは「~について」の前置詞。

gjeldeそのものも、「~に関わる」という動詞なのですが、どうやら 『når det gjelder』で前置詞の『om』と同じように使えるようです。つまり「~について」ですね。

取引先との別れ際のやりとり

さて、この後もやりとりは進み、「また来週こちらからご連絡させていただきます、よろしいでしょうか」みたいな感じに。その後の返事がこれ。

『avtale』は契約とか約束なので、一瞬、これで契約完了なのか単に約束っていう意味なのか悩みましたが、文面を見る限り契約は締結してないので「約束ですよ」=「よろしくお願いします」みたいなニュアンスのようです。先生曰く、「あまり使わないフレーズ」とのことで、自分なら「Det er flott.」(It is great.)というだろうとのこと。そして、次の 『Da hører jeg fra dere.』 は「ご連絡お待ちしています」みたいな感じだそうです。曰く、「最近連絡とれてないんだよ」みたいなときにも「Jeg har ikke hørt fra 誰々」という感じで使うそうです。検索してみたところ、恋愛相談のサイトで「彼から連絡がこないの」という文面で出てきました。なるほど。

NTNUのコースは使える会話フレーズが多くて面白いですね。先生も、これからこれを使ってレッスンする?と聞いてくれました。そうですねと言いたいところですが、前にも書いたように、文法クイズのところのシステムがダメすぎるんで悩むんですよねー。ピリオドが外にでてるのにピリオド打たないと間違い扱いされたりとか。それさえなければいいんですけどね、難しいです。

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

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