ノルウェー語

ノルウェー語:続・現在完了形のニュアンス、「少なくとも10才若ければもっと簡単だったのに」の言い方

先月、「現在完了形のニュアンス」について書きましたが、文法書を読んでいたら「なるほど」と思う説明が載っていました。

過去形と現在完了形で同じ出来事について言うことはできるが、何にフォーカスしてるかが過去形と現在完了形で異なる。過去形は出来事そのものがあったことを伝え、現在完了形は過去の出来事の結果にフォーカスする

説明によると” Vi så den ny filmen.”は、過去のある時点で映画を見たということにフォーカスしているのに対し、”Vi har sett den ny filmen.”は、”私たち”が映画をみたことがあるというとにフォーカスしていて、だから感想を言い合えるとか、今日はその映画を見に行かないとかになると。もっとわかりやすい例文では、「手首を骨折した(過去形)」は、その事実だけを伝えてるのに対して、現在完了形にすると、たとえば包帯している理由とか、だから物を書けないとか…そういう風になると。日本語だとさしずめ、「手首を骨折した」と「手首を骨折しちゃった」の違いかも…。

以前のブログで”I dag har jeg pakket sekken min selv!” “Ja, og heldigvis har jeg fått tak i Erik.” という文章について、

まず最初の文では「今日」ではなくて昨日なら過去形にしなくてはいけないのだそうで、今日だから使えるのが前提。その上で「やった」というより、「僕が!」というところにフォーカスしたニュアンスになるそうです。後者もErikに頼めたことそのものを強調するニュアンスがあるそうです。

文法書によると、副詞節で「特定の過去」(昨日とか)を指定している場合は過去形になるとのことなので、確かに「今日」だから使えるというのはありそうです。そして、上の説明にもあるように完了形はその行為の結果にフォーカスするから「僕、できた!」の部分を強調することになるというのは納得です。

10才若かったらなあ…の言い方

今回、作文を久々に書いたのですが、そこで(前後の文脈は省略しますが)「せめて10才若ければもっと簡単だったのになあ」というのを書きました。思わず、現在形で書いてしまったのですがこれは違いますね。あれです。「もし翼があれば飛べるのに」という例文がやたらでてくる、「仮定法過去」でした。少なくともは「i det minste」を使ったのですが、これはこういうときには使わないそうで「i hvert fall」を使うとのこと。

Hvis jeg var i hvert fall 10år yngre, ville det blitt lettere.

が正解とのことでした。運動会とかで体力のなさを痛感したときにも使えそうですね。「あと10才若ければなー、もっと早く走れたんだけどなー」とか。


今回の現在完了形と仮定法過去でもつくづく思いましたけど、ノルウェー語の勉強をしていると、改めて英文法を思い出すわけですが、「え、それならそう教科書に書いてくれていたらもっと覚えやすかったのに」と思ったりします。古文(古今和歌集とか)を大人になってから見直したときも思ったんですけどね。

現在完了形の「たったいま~したところだ」「~したことがある」「ずっと~している」というのもそれはそうだけど、「~したらXXをする」みたいなところで、「この戦いが終わったら結婚式だ!」も現在完了形ならそれを入れてくれてたらわかりやすかったのにとか、仮定法過去も「もし私が鳥だったら、空を飛べるのに」のような少女漫画以外で使わなさそうな表現より、「10才若かったら~なのに」とか、ちょっとした愚痴のような呟きのような文章で勉強できてたら、もっとわかりやすかったのかもと思いました。あ、この文章自体も、仮定法過去に出来そうですね(笑)

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

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