ノルウェー語

ノルウェー語:現在完了形のニュアンス/fordelingen, fordel, fordele,dele…/jevnlig

二種類の現在完了形のニュアンス

今回は文法書から。前提として、前の段落で現在形や過去形における「være」と「bli」の違いの説明があり、「være」(英語でいうところのbe動詞)はその時の状況、「bli」(~になるという動詞だが、受動態などで疲れる準Be動詞的な単語)は切り替わりや変更を示すという説明がされていました。

その上で以下の説明を見ると「現在完了形におけるværeは、何かが終了したことを表現し得る。一方、bliは何かが始まったことと結び付く」とあり、表も「終了している状態」「始まった状態」となっています。

ということで質問は「この例文で終了してるとどこでわかるのか。そもそも終了してるなら~だった(過去形)でよくないか?」と「現在完了形での開始状況とは何か」いうことです。

Han har vært syk. は普通に訳すと「彼はずっと病気だ(病気だった)」で、後ろに3週間とかつけば「彼は3週間伏せってた」とかです。でも、期間をつけないで過去のことを言うなら普通に「Han var syk」(彼は病気だった)で良くないかと。また、「病気になった」の現在完了形はそもそもどう訳していいかわかりません。それこそ、病気になったことを言いたいのなら「Han ble syk」といえば良いのでは。

そこで言われて、「それ最初に知りたかった」と思ったのが、「過去形の場合は”いつ”が必要だけど、現在完了形では必要ない」ということ。væreとbliの違いと同じ分類に、「ha(持つ)」と「får(得る)」があります。最後の行のHan har hatt feber(彼はずっと熱があった/ある)、Han har fått feber(彼は熱を出した)ですが、たとえば職場で電話を受けて「彼は熱がでたのでお休みだそうです」というようなときに、それが昨日からなのか、3日前からなのかはとりあえずどうでもよくて(必要ではない)その変化そのものがあったことを伝えていると。逆に普通に過去形で「Han fikk feber」とだけいうと、昨日とか一昨日とかそういった「いつ」の情報がないと不自然とのことでした。なるほど。

個人的にはværeとbliの差よりも、現在形と現在完了形のそのニュアンスのほうが大事な気がします。

最初の疑問に戻ると「現在完了形での開始状況とは、何かが始まった状態で(おそらく)続いている」ことを示し、「終了しているかどうかはわからないけど、終了している可能性がある」程度のようです。まあ、確かに「Han har hatt hund」と言われたら「彼は犬を飼ったことがあるんだよ」という感じですよね。それに「Han har vært lærer」なら、過去形よりは続いてる気もしますし、現在形で言われるよりは「教師だった期間がある」感がある気もします。(今教師かどうかは関係ない)

「彼は教師になったらしいよ」の言い方

さて、その会話の中で気になったのが「彼は教師になったらしいよ」の言い方です。まあ同窓会で聞いたとか、噂で聞いたとか…、なんでもいいんですが、「彼が教師になったと聞いた」なら、教師になったは現在形で聞いたは過去形?でも、過去よりも前にしないといけないから過去完了形??

答えは Jeg har hørt at han har blitt lærer だそうです。

つまり、「聞いた」も「教師になったこと」も両方現在完了形。もし、過去形で聞いたというのなら「いつ聞いたのか」が必要だからだそうです。

「らしい」は、別の言い方もあって Han har visst blitt lærer . でもOK. visstは人の噂などで聞いた「~らしい」だから、ずばりですね。こちらのほうが簡単かも。

私はよく、「こう聞いたんだけど、この時はどうするの?」みたいなときに、Jeg hørte を使うので、ちゃんと現在完了形を使えるようにしたいところです。

fordelingen, fordel, fordele,dele…

話は変わって文法書の説明に使われていた単語fordelingenが気になりました。

“Være” beskriver gjerne en situasjon som varer,mens “bli” forteller om noe kortvarig, om en forandring eller overgang. Den samme fordelingen kan vi ha mellom “ha” og “få”

“ha” と”få”の関係が、væreとbliの関係と同じであることを言っているところです。わからなかったというか、あれ?と思ったのは
Den samme fordelingen kan vi ha mellom “ha” og “få”(同じことが、”ha”と”få”の間にも言える)
の部分。
このfordelingenという単語、意味は「分布、分配」ということで、自分が同じ事を言おうとしたら「カテゴリ」とか使ってしまいそうなんですが、ha fordelingenで同じ分布になるというように言えるのですね。

分布と言われるとなんかしっくりこなかったんですが、説明を聞いてなるほど…と思いました。ただ、この単語紛らわしいのが、fordelという「長所」という意味の単語があること。そして、この「Fordelingen」はそっちではなくて、動詞「fordele(分配する、分ける)」由来なんですよね、おそらく。動詞にforがつくから恐らくドイツ語由来の…。

Fordeleとdeleの違い

fordeleがあるということは、だいたいの場合、意味が限りなくにているforなしの動詞があるわけで…。もちろん、「dele(わける、シェアする)」という単語があるわけです。deleは、ホントによくみる単語で、たとえば、「Twitterでシェアする」というようなボタン。これは 「Del xx på twitter」のような感じでよく見ます。

日本語にすると、両方とも「分ける」という意味にもなるようなので、使いわけについて確認しました。この使い分けであっているそうです。

ホールケーキをわける:å dele kake
(子供会などで)お菓子を配る:å fordele godteri

やはり、一つずつが別々になっていてそれを配布するのがfordele、一つのものを数人でわける=共有するのがdeleという感じですね。

Jevnligとofte

最後に、「Jevnlig」。これは文法書ではなくて、やりとりで出てきたのですが「今は毎週火曜日・木曜日に横浜に出社してる感じなんだよねー」という私の発言に対して「横浜にjevnligいるの?」という感じで入ってきたわけです。いつもなら「alltid」だし、通常はなら「vanlig」だし、ではjevnligって何だと調べてみたら「しばしば」。ofte でも gjerneでもない、第三の「しばしば」出現です。

ofteとどう違うのか、きっと意味があってこの単語なんだろうということで聞いて見たところ、もともとこの単語は「jevne」(平にする)から来ているそうです。jevneには「平にする」「均等にする」という意味があるそうで、私の場合・火曜日と木曜日という感じで「定期的に」出社しているので、jevnlig が使われたそうです。

先生曰く、「gjerneには、…では~する傾向がある、…ではよく~するという意味がある」が、ofteでは「(偶然的な感じで)よく~する」というニュアンスだそうです。「最近よく雨がふるよねー」だったらgjerneは使わず、ofte.(I det siste regner det ofte.)。「6月はよく雨が降る」にofteを使うと「頻繁に」降るイメージだが、gjerneを使うと「殆ど晴れの日がない」みたいなイメージになるそう。会話ではほぼofteでよいとのこと。

http://reveries.heteml.net/Im_the_one/?p=5514

ofteが偶発的な感じでの「頻繁に」。gjerneが「~する傾向にある(~しがち)」、そしてjevnligは「定期的に」という感じでしょうか。これは結構使えそうですね。

Morten Harket.jp (http://www.morten-harket.jp/)の中の人。 二児の母で、フルタイム勤務しつつ、ノルウェー語の勉強をしています。 現在、NORLAからサポートを受け、ノルウェー語の詩の翻訳を実施中。

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